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町田 堺の大祝宴

町田に根づく郷土芸能
お囃子・獅子舞・おかめとひょっとこ踊り

多くの商業施設が林立するイメージのある町田市ですが、実は古くから地域に根ざした郷土芸能がとても盛んな地域です。 年に1回、市内の郷土芸能の団体が一堂に会する「町田市郷土芸能まつり」というイベントも開催されているほど。 かつて、武蔵国と相模国の境界であることから「堺」と呼ばれた町田市内の地域では現在も多くの郷土芸能団体が活動しています。 さらに現在この地域は子どもの人口増加が市内でもめざましく増加している地域です。新旧の住民が行き交う街、町田市。

※「町田堺の大祝宴」の地域コラムです。本イベントは、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止になりました。

光の舞オブジェ
町田駅前にある「光の舞オブジェ」
(提供:(一社)町田市観光コンベンション協会)
関屋の切通し
新選組も通った古道・関屋の切通し
(提供:(一社)町田市観光コンベンション協会)

町田市は、昭和33年に東京都で9番目に誕生した市です。 昭和38年に、市になってから5周年を記念した事業のひとつとして、金井獅子舞(金井町)、丸山獅子舞(相原町)、矢部八幡宮獅子舞(矢部町)、大戸囃子(相原町)、そして三ツ目囃子(小山町)を、無形民俗文化財として指定しました。

今回は、数ある団体の中から町田市小山地区に根づく「三ツ目囃子」にクローズアップしながら郷土芸能の魅力についてご紹介します。

三つ目囃子の起源、由来

町田市内のお囃子の多くは、江戸時代ごろから盛んになったといわれており、三ツ目囃子は幕末から現在まで、約160年続いています。
また、都内に伝承されているお囃子にはいくつも系統があり、三ツ目囃子は神田明神のお祭りの流れをくむ、リズミカルで躍動感のある「神田囃子(神田流)」と呼ばれる系統に属します。 他には、目黒流や船橋流など、地名がついた流派が多く存在します。

獅子舞や、おかめとひょっとこの踊りに加え、三ツ目囃子では、狸と狐がお酒で酔っぱらうというストーリー性のある楽しげな踊りもあるのが特徴です。お囃子は、庶民の生活に溶け込んだ馴染みのあるもの。ひょうきんなひょっとこの踊りや、三ツ目囃子の狸と狐の酔っ払いの踊りのような、地域の住民たちの気持ちが明るくなる、元気になるようなお祭りの盛り上げ役です。

ひょっとこ踊り
イベントで披露されたひょっとこ踊り(提供:三ツ目囃子振興会)
お囃子とは?

日本語の「映えるようにする」「引き立てる」という意味の「はやす」から生まれた言葉が「お囃子」です。 お囃子は、おもに神社のお祭りで奉納される音楽や踊りのことを指します。 お囃子の役目は、神社で行われる疫病退散や五穀豊穣を願って催される祭りを、音楽や舞で「はやす」=盛り上げることです。 地域によって、曲、楽器構成などもさまざまです。

一般にお囃子は、お神輿とともに、山車に締め太鼓、大太鼓、笛、鐘などを載せ、音楽を奏でながら練り歩きます。 そして、お神輿を揺らし、音楽を鳴らし、神様を盛り上げます。 音楽に合わせて、獅子舞やおかめやひょっとこの踊りが加わることもあり、その全体を称して「お囃子」といいます。

お囃子とともに登場する踊りについてもご紹介します。

御神輿
祭りで担がれる御神輿(提供:三ツ目囃子振興会)
獅子舞:

災い除けの踊りとして知られ、木で作られた獅子の頭部を持ち、胴の部分は「胴幕」と言われる布で覆われ、演者の体を隠して踊ります。

おかめ:

女性のお面です。日本では古来より、ふっくらした幸せそうな女性は災厄の魔除となることから、おかめはその象徴とされています。

ひょっとこ:

口をとがらせ、火に向かって竹筒で息をふくような滑稽な顔をした男性のお面です。ひょっとこの語源は「火男」からなまってうまれたとも言われています。お囃子とともに登場する踊りについてもご紹介します。

この2つの面をつけたおかめとひょっとこの踊りは見ているものを楽しませる「道化」の役割。「厄払い」「魔除」のおかめと、かまどの火を起こすことから「火を守る神」「かまど神」として、2人合わせて家庭円満の神様として扱われることもあります。

木彫りのお面
三ツ目囃子で用いられている木彫りのお面(提供:三ツ目囃子振興会)

三ツ目囃子で代々受け継がれている、木彫りのお面。彩色は胡粉という日本画などに使われる塗料で色つけされ、ニカワでコーティングされています。

郷土芸能の継承と後世へ伝える

郷土芸能の課題は、若い世代に伝えて継承していくことです。そのためにお祭りへの参加だけでなく、地域の小学校で太鼓の講習をひらくなどして、積極的に子どもたちへアプローチしています。実際に体験をすることで、お囃子をもっとやってみたいという子どもたちが増えています。

町田市内の小学校で行われた体験教室
以前、町田市内の小学校で行われた体験教室(提供:三ツ目囃子振興会)

また、郷土芸能を続けるためには、技術の継承と向上も大切な課題です。 音色、グルーブ感など、教本だけでは伝わらないものを伝えていくことが難しいといいます。 昔のお囃子の調子を後世に伝えるためにも、直接見て、聞いて体で覚えていくため、昔の映像を見るなどして、当時の音色を伝承する努力が続けられています。

取材協力:中島清さん(まちだ葬祭店/三ツ目囃子振興会)

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